失敗を活かすには――JCO臨界事故に学ぶ
ペンネーム: Y.N.
私は技術者にこれからなる身として,JCO臨界事故から学ばなければならないと感じたことがいくつかある。まず,この臨界事故はJCO東海事業所の転換試験等において,1999年9月30日に発生した。事故の大きな問題点としては専門知識を持つ技術者の判断を仰ぐことなく,現場の作業員が作業手順を変更して効率重視の作業を行ってしまったことにある。これにより核燃料の間違った取り扱いが知らずに【?】発生し,その結果大きな被害が作業者自身と周辺地域にもたらされた。ここから私が感じたことはやはり【?】核燃料製造の発注者と受注者,現場の作業者の製造段階での安全意識の違いである。受注者は発注者の無理な輸送条件や納期を維持したいがために人材やコストダウンを進め,現場での安全性確保を怠っている。また,現場の作業員も専門知識を持たないために,受注者の指示で非正規の作業マニュアルに従い作業をし,さらに効率化のために作業手順を独自に変更してしまっている。このことから私が技術者として職についた場合,これらのいずれかの立場として安全確保やコストダウン,作業工程の変更に直面するかもしれない。そこで,私自身の失敗した経験を踏まえ,この事故から何を学ぶべきか考察する。
私の釧路高専の本科生時は【私が釧路高専の本科に在籍していた時分には】ロボットを製作する部活動を行っており【いた。】そこではアルミ材を手作業で加工して部品を製作していく【次の文と重複しているので,こちらを削除した方がすっきりした文章になる】。私の失敗した経験とは【,】高専の低学年時のときで,上級生から頼まれた【頼まれて】アルミ板を部品として加工を行っているときである【に起こったものである】。このときの作業は【,】厚さ2mmのアルミ板の部品に【を】軽量化の【する】ために大きな穴をたくさん開けていくこと【というもの】であった。通常アルミ板に大きな穴を開ける場合,いきなり大きなドリルで穴を開けるのではなく【,】まず下穴といって小さな径の穴から開け,大体2mmぐらい大きいドリル径に取り替えていく。その時の失敗は【,】急ぎの作業でアルミ板に12mmの穴径で軽量化用の穴を【急いで】たくさん開ける作業であったため,勝手な判断で作業の効率化のために4mmの穴あけからはじめて,途中の6mmと8mmを飛ばして10mmの穴を開けてしまった【ようとした】ことである。また,同時にドリルでのアルミ板の穴あけ時はアルミ板の下に当て木を置き,クランプで挟んで固定するの【が適切な手順なの】だが,このとき頻繁にドリルの穴あけ位置をずらすのでクランプでこれらを固定しないで作業を行っていた【行うということを同時にやってしまった】ことがさらに悪い結果となった。これにより,10mmのドリル穴を開け始めた直後にドリル刃にアルミが噛み付き,アルミ板がドリルに巻き上げられて抑えていた手元からはずれ,高速回転しだしたのである。すぐにドリルを停止させたため,幸い怪我は無く【,】ヒヤリハットの段階ですんだが,【。しかし,】もう少しで指から流血していた【させる事態を引き起こしかねない事故だったのである】。これはアルミ板の下穴に対して大きすぎるドリルを使用したことと,クランプで固定するのを怠ったせいである。
この失敗から【を契機として,】自分自身の作業はもちろん,周りの作業者や後輩達への技術指導の場面では安全作業に対して注意を向けるようになった。この失敗やJCO臨海事故から学んだといえることは,作業効率のために作業者の安全意識が薄れるのは【,】作業者だけの問題ではなく,周囲の人間や作業を指示する側にも責任があるということである。そのため私は技術者として第一に安全確保という観点からどのような立場であっても仕事をして行きたいと考える。